内容証明や裁判のために、相手の住所を確かめる|届かないと手続きは止まります【新潟】

相手の住所を確かめる
相手に請求したい。話し合いの場に出てきてほしい。 そのために内容証明を送ろうとして、 宛先の欄で手が止まっている方からのご相談です。
この場面で必要なのは、相手の住所を「知ること」ではありません。 書類が届く場所を「確かめること」です。 似ているようで、やることがまるで違います。
そしてこの手続きについては、 裁判所が「何を確かめればよいか」を書式で公開しています。 まず、そこからご説明します。
まず、あなたの状況はどれですか
同じ「住所が分からない」でも、次のどれかで進み方が変わります。 ご自分がどれか、先に決めてください。
- 住所は分かっているが、受け取ってもらえない不在が続く、あるいは受取を拒まれている
- 送ったら封筒が返ってきた何と書かれて戻ったかで、次の手が変わります
- 住所そのものを知らない別居した、引っ越された、もともと知らない
- 訴状の被告欄が埋められない訴訟を起こしたいのに、書けない
- 弁護士から居住確認を求められている先生の側で手続きが止まっています
いちばん多いのは、二つ目です。 そして、返ってきた封筒に何と書いてあったかを覚えていない方が、とても多い。 あの一行が、いちばん大事な手がかりです。
目的が決まれば、確かめる形も決まります
どこまで確かめれば足りるかは、 その先にどの手続きが控えているかで決まります。
内容証明を送りたい
必要なのは届く場所の確認です。 そこに現に人が住んでいるかどうか。 四つのなかでは、いちばん工程が少なく済みます。
支払督促を申し立てたい
支払督促は、相手に書類が届かないと先へ進みません。 住んでいるらしい、では足りない手続きです。
訴訟を起こしたい
被告の住所を書いて出す必要があります。 届かなかった場合に備えて、 そのあとの手続き(後述)まで見越した確かめ方になります。
調停や審判を申し立てたい
離婚や養育費など家庭裁判所の手続きです。 この場合は先に役所の窓口で確かめられることがあります。 順番が逆になると、余計な費用がかかります。
ですから、お電話でまず伺うのは相手のお名前ではありません。 「その書類を、どの手続きのために送るのですか」です。 ここが決まると、確かめるべきことが一つか二つに絞れます。
返ってきた封筒の文言で、次の手が変わります
郵便物が戻ってきたとき、封筒には理由が書かれています。 この一行が、相手の状況をかなり正確に教えてくれます。
「宛所に尋ねあたりません」
その住所に、その名前の人が見当たらないという意味です。 引っ越したか、表札や郵便受けに名前が出ていないか、そもそも住んでいないか。 ここから先は、現地を確かめないと区別がつきません。
「転居先不明」
転居はしたが、転送の届出がないか、 届出から一年が過ぎている状態です。 郵便の転送はいつまでも続くものではありません。
「保管期間経過」「受取拒絶」
この二つは、上の二つとまったく違います。 郵便局は相手にたどり着いているのです。 つまり住んでいる可能性が高い。 この場合に必要なのは住所を探すことではなく、 そこに住んでいると示すことになります。
戻ってきた封筒は、捨てないでください。 日付と文言が入ったその一通が、 あとの手続きで「一度は送った」という記録になります。 写真を撮るだけでなく、現物を保管しておいてください。
裁判所は「調査報告書」の書式を公開しています
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
東京地方裁判所は、送達がうまくいかなかったときに提出する 「上申書兼調査報告書」の書式と記載例を、ウェブサイトで公開しています。
- 付郵便送達に係る上申書兼調査報告書書式と記載例
- 公示送達申立書兼調査報告書書式と記載例
つまり、何を確かめればいいかは決まっています
「調査報告書」という名前の書式が、裁判所の側に用意されている。 これは、報告書に何を書けばよいかが、あらかじめ決まっているということです。
私たちの仕事は、そこに書ける事実を集めてくることです。 探すこと自体が目的ではありません。 その欄が埋まる形で持ち帰ることが目的です。
ですから、ご相談のときに「弁護士の先生はどの手続きを予定されていますか」と伺います。 付郵便なのか公示送達なのかで、集める事実が変わるからです。
お住まいの地域の裁判所に確かめてください
書式は裁判所によって扱いが異なることがあります。 上のものは東京地裁のものです。 実際に申し立てる裁判所の書式と運用を、必ず確かめてください。 弁護士に依頼されている場合は、先生がご存じです。
付郵便送達と公示送達は、別の話です
名前が似ているので混同されがちですが、 前提がまったく逆です。
付郵便送達
そこに住んでいることは分かっている。 でも受け取ってもらえない。 だから「確かにここに住んでいます」と示すための調査になります。
公示送達
どこにいるのか分からない。 だから「探しましたが分かりませんでした」を、裏づけのある形にするための調査になります。
探偵の側から見ると、この二つは集める事実の向きが正反対です。 前者は「居住を示す事実」を積み、 後者は「当たるべきところに当たって、いなかった」という経過を積みます。
後者のほうが、実は手間がかかります。 「いないこと」は、一か所を見ただけでは言えないからです。
だから私たちが確かめるのは、二つだけです
ご依頼を受けて私たちがすることは、突き詰めると二つしかありません。
- そこに住んでいると言えるか生活の痕跡を、日を変えて確かめます
- 住んでいないと言えるか当たるべきところに当たって、そのうえで言います
どちらも、一度見て終わりにはしません。 一日だけの訪問で「不在でした」と書いた報告書は、 出張中の人を不在と断じているかもしれない。 そういう報告書は、受け取った側が使えません。
居住を示す事実として見るもの
- 郵便受けの状態溜まっているか、抜かれているか
- 表札、部屋番号、玄関まわり
- 電気やガスのメーターの動き
- 洗濯物、自転車、車の出入り
- 時間帯を変えたときの照明
どれも、外から見て分かる範囲のことです。 敷地に入ったり、郵便物を手に取ったりはしません。 理由は後ほど書きます。

その前に、ご自身でできることがあります
ここまで読んで、すぐご依頼をと思われたかもしれません。 その前に、確かめていただきたいことがあります。
目的によっては、住民票の写しや戸籍の附票を、ご自身で取得できます。 たとえば養育費を請求するために必要がある場合について、 法務省が次のように案内しています。
契約や貸金など、権利を行使するために必要な場合にも、 第三者として請求できる仕組みがあります。 何が必要かは市区町村によって案内が異なるので、 まずお住まいの市役所・区役所の窓口でご相談ください。
私たちの出番は、そのあとです
役所で紙が取れたのに、 その住所に相手が実際には住んでいない。 私たちの出番は、ここからです。
役所で取れるものを、費用をいただいて代わりにお調べすることはしません。 先に窓口へ行っていただくほうが、早く、安く済みます。
調査嘱託という道もあります
もうひとつ、探偵に頼まなくても済む道があります。
先ほどの東京地裁の案内の末尾に、 建物管理会社やライフラインに対する調査嘱託の申出について、担当部に相談するようにと書かれています。 つまり、裁判所を通して確かめてもらう道が、制度としてあるということです。
使えるかどうかは事件の内容や進み方によります。 弁護士に依頼されているなら、まず先生にこの道を確かめてください。
私たちがこれを書くのは、 使える制度を知らないまま費用を払っていただきたくないからです。 そのうえで、現地でしか分からないことは確かにあります。 そこが私たちの受け持ちです。
私たちがしないこと
居住を確かめる調査には、やろうと思えばできてしまうことがあります。 その多くを、私たちはしません。
- 郵便受けの中身を取り出す、写す
- 敷地や共用部の奥に入る
- 公的機関や実在の会社を名乗って問い合わせる
- 管理会社や大家に、身分を偽って尋ねる
- 近隣の方に、ご依頼の内容をそのまま話す
理由は、品行の問題ではありません。 そうやって得た事実は、報告書に書いた時点で報告書ごと使えなくなるからです。
提出先は裁判所です。 どうやって確かめたかを書けない事実は、最初から集めない。 これが、この種の調査のいちばん大事な線引きだと考えています。
やってはいけないこと
- ご自身で現地へ行く顔を知られている相手なら、その一回で相手が動きます
- 相手に「住所を教えろ」と連絡するやり取りが残り、あとで不利に働くことがあります
- SNSで呼びかける取り消せません。相手ではなく、あなたの側の評価が残ります
- 共通の知人に探りを入れるその日のうちに相手へ伝わると考えてください
- 勤務先に押しかける請求の正当性とは別に、こちらが責任を問われます
- 「住民票が取れます」と言う業者に頼む取れるのは資格のある方だけです
それから、期限のあるご事情なら、先にそれを教えてください。 時効や申立ての期日が迫っている場合、 調査より先に弁護士へ行っていただくほうがよいことがあります。
私たちがお手伝いできること
ご依頼をいただかなくても、ご相談の段階でお伝えできることがあります。
封筒の読み方
戻ってきた郵便の文言から、 次に何をすべきかを一緒に整理します。
窓口の順番
役所、弁護士、裁判所、私たち。 どの順で当たれば無駄がないかをお伝えします。
見込みの正直な判定
手元の材料で、 確かめられそうか、難しそうかを先に申し上げます。
受け取る側に合わせた報告書
弁護士や裁判所が そのまま使える形にしてお渡しします。
お引き受けできない場合もあります
住所に閲覧制限(支援措置)がかかっている場合、 所在の調査はお受けしません。 制限を民間の調査で迂回することはできませんし、してはいけません。 その場合は弁護士・弁護士会・法テラスへおつなぎします。
行ってはいけない道を案内しないことも、私たちの仕事のうちです。
探偵・弁護士・裁判所・役所の役割
市区町村の窓口
住民票の写し、戸籍の附票。 目的によっては、ご自身で取れます。 まずここからです。
私たち(探偵)
紙の住所と現実が合っているか。 居住の確認と、その裏づけの文書化。 請求も交渉もいたしません。
弁護士
内容証明の作成と発送、交渉、申立て。 付郵便送達や公示送達の上申も先生の仕事です。
裁判所
送達、調査嘱託、手続きの進行。 報告書を受け取って判断する側です。
私たちが請求や交渉を行うことはできません。 弁護士でない者が報酬を得て法律事務を扱うことは、 弁護士法で禁じられています。
ただし、「できません」でお返しするつもりもありません。 弁護士に依頼するにも、まず居住の裏づけが要ります。 受け取った側がすぐ動ける形にしてお渡しするところまでが、私たちの仕事です。
新潟でこのご相談が多い形
実家に戻っている
新潟では、別居や離職のあとに実家へ戻る形がとても多い。 住民票を動かさないまま、生活だけが移っていることがあります。 この場合、紙の住所には確かに誰もいません。
冬は、居住が分かりやすくなります
これは新潟ならではです。 雪が降りやんだ翌朝、玄関前が雪かきされているかどうか。 駐車場の車に雪が積もったままかどうか。 誰かが暮らしていれば、雪はそのままになりません。
逆に言えば、冬のほうが「住んでいない」と言い切れる材料が揃います。
集落では、外から来た車が目立ちます
田園部や集落では、見慣れない車がすぐに分かります。 だからこの土地では、長く張り込む形の確認は向きません。 短い時間で、外から見える事実を確実に取る。そういう組み方をします。
距離が、そのまま日数になります
県内でも、市外局番が同じというだけで遠く離れていることがあります。 佐渡は船便の時刻で日程が決まります。 相手が県外へ出ている場合も同じです。 お見積りの前に、地名を教えていただきたいのはこのためです。
費用の考え方
この種のご依頼は、確かめる回数と場所の数で決まります。
- 住所が一か所か、複数か候補が増えるほど日数が要ります
- 居住を示すのか、不在を示すのか後者のほうが回数が要ります
- 提出先が決まっているか書式が分かっていれば無駄が減ります
- 場所市街地か、集落か、島か
- 時期冬は日数を多めに見ます
一律の金額はお示しせず、ご事情を伺ったうえで個別にお見積りします。 そして、お勧めしないときはそう申し上げます。 役所や裁判所の制度で足りる場合に、 費用をいただいて同じことをするつもりはありません。
住所の確認についてよくある質問
Q. 内容証明が受取拒否されました。届いていないことになりますか。
受取を拒まれた場合の扱いは、事案によって判断が分かれます。 ここは弁護士にご確認ください。 私たちからお伝えできるのは、 拒否されたということは、その場所に相手がいる可能性が高いということです。 探す段階ではなく、示す段階に入っています。
Q. 探偵なら住民票を取れるのではないですか。
取れません。 住民票や戸籍を職務上請求できるのは、弁護士・司法書士・行政書士などの資格者です。 探偵は含まれません。 「探偵だから取れます」と言う業者には、ご注意ください。
Q. 一日で確かめてもらえますか。
居住を示す場合でも、日と時間帯を変えて複数回確かめます。 一度の訪問で書いた報告書は、 受け取った側が使えないことがあるからです。 急ぎのご事情があれば、先にお聞かせください。
Q. 弁護士に頼んでいますが、探偵も必要ですか。
先生が居住確認を求めておられるなら必要です。 求められていないなら、まず先生に「調査嘱託は使えますか」と聞いてみてください。 そちらで足りるなら、そのほうが早く、費用もかかりません。
Q. 相手の住所を、私に教えてもらえますか。
ご依頼の目的によります。 書類の送達のための確認であれば、報告書としてお渡しします。 一方、会いに行くための所在確認や、 相手が明確に拒んでいる場合のご依頼はお受けしません。 最初に目的を伺うのは、そのためです。
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