勤務先しか分からないときの住所調査|追いかける前に、法律が認めている道があります【新潟】

分からないとき
相手の働いている会社は分かる。でも、どこに住んでいるかは分からない。 この状態でご相談をいただくことが、とても多いです。
そして多くの方が、「勤務先から尾行して自宅を突き止めてもらうしかない」 と思ってお電話をくださいます。
その前に、知っておいていただきたいことがあります。 住所が分からないとき、勤務先を書類の送り先にできると、 法律そのものに書かれています。
まず、あなたの状況はどれですか
勤務先しか分からない、という状況にもいくつかあります。 ご自分がどれか、先に決めてください。
- 貸したお金が返ってこない働いているのは知っているが、住所を教えてもらえない
- 慰謝料を請求したい相手の勤め先だけ分かっている
- 養育費が止まった別れた相手の職場は変わっていないらしい
- 取引先の担当者と連絡が取れない会社は実在するのか
- 弁護士から住所を聞かれている先生の側で手続きが止まっている
上の四つは、いずれも「相手に何かを届けたい」という目的です。 だとすれば、住所そのものが要るとは限りません。 次の章から、その理由をご説明します。
目的が決まれば、確かめる形も決まります
私たちがまず伺うのは、相手のお名前でも会社名でもありません。 その相手に、何をなさりたいのか。
貸したお金を返してもらいたい
目的は支払を求めることです。 必要なのは相手に書類が届くこと。 住所が分からなくても進められる場合があります。
慰謝料を請求したい
同じく届くことが先です。 ただし請求そのものは弁護士の仕事で、 私たちは相手を特定し、裏づけを残すところまで。
養育費の取り決めを進めたい
この場合は先に役所の窓口で確かめられることがあります。 順番が逆になると、余計な費用がかかります。
会いたい・話がしたい
相手が明確に拒んでいる場合、 会いに行くための所在調査はお受けしません。 最初に目的を伺うのは、このためです。
上の三つは、どれも「相手に届けば進む」手続きです。 そして届け先については、法律に書いてあることがあります。
住所が知れないときは、勤務先が送達先になります
民事訴訟法の第百三条に、書類をどこへ送るかが定められています。
第一項は、住所・居所・営業所・事務所へ送るという原則です。 そして第二項に、こう書かれています。
「前項に定める場所が知れないとき、又はその場所において送達をするのに支障があるときは、 書類の送達は、送達を受けるべき者が雇用、委任その他の法律上の行為に基づき就業する他人の住所等 (以下「就業場所」という。)においてすることができる。」
つまり、こういうことです
住所が分からないという理由だけで、手続きが止まるわけではありません。 条文は、住所が知れないときの届け先として 就業場所、つまり働いている場所を認めています。
これを就業場所送達と呼びます。 実際に使えるかどうかは、事件の内容や裁判所の判断によりますので、 そこは弁護士にご確認ください。
ただ、この道があることを知らないまま「尾行して自宅を突き止めてください」と おっしゃる方が、本当に多いのです。
だから、最初にすることは尾行ではありません
就業場所へ送るとしても、ひとつだけ確かめておくことがあります。
その人が、本当にそこで働いているのか。
噂で聞いた、以前はそこにいた、SNSにそう書いてあった。 そのままでは使えません。 届かなければ、手続きは結局そこで止まります。
私たちが確かめるのは、二つです
- その人が現にそこで就業していると言えるか出退勤の様子を、日を変えて
- その会社が現に営業しているか看板だけ残っていることがあります
この二つが取れれば、多くの場合、そこから先は弁護士と裁判所の領域です。 尾行をしなくても済みます。
費用も日数も、自宅を割り出す調査よりずっと軽くなります。
一度見て終わりにはしません
一日だけ確認して「いました」と書いた報告書は、 たまたま来ていただけの人を在籍と断じているかもしれません。 逆に、一日いなかっただけで「辞めています」と書けば、 有給を取っていた人を辞めたことにしてしまいます。
日と時間帯を変えて確かめる。地味ですが、これが全部です。
その勤務先は、本当の勤務先ですか
ここで、つまずきやすい点をお伝えします。 お客様が「勤務先」と思っている場所が、雇っている会社とは限りません。
よくあるずれ
- 派遣・請負で、別の会社に出ている毎日通っているのは派遣先です
- 常駐先しか知らない名刺も作業着も常駐先のものだったりします
- 下請けとして入っている現場で見た会社名は元請けのもの
- 屋号と法人名が違う店の名前では登記が出てきません
- すでに辞めているいちばん多いのがこれです
雇っているのがどこかで、書類を送る先も変わります。 ですから、勤務先が分かっているというご相談でも、 まずそこを確かめるところから始めます。
なお、会社に電話をして在籍を尋ねることはしません。 理由は後ほど書きます。
自宅の割り出しが要るのは、どんなときか
ここまで「尾行しなくても済む」と書いてきましたが、 自宅を確かめる必要が出る場面も、確かにあります。 正直に挙げておきます。
- 就業場所への送達が認められなかった判断するのは裁判所です
- すでに辞めていた就業場所そのものが無くなります
- 判決のあと、財産に手続きを取る段階ここは弁護士の領域です
- 相続や身分の手続きで、住所の記載が要る
- 弁護士から、居住の裏づけを求められている
大事なのは順番です。 先に就業場所で進めてみて、それで足りなければ自宅を確かめる。 逆にすると、要らなかった費用を先に払うことになります。
その場合でも、職場で待つのが最善とは限りません
勤務先から追う形は、相手に気づかれる可能性がいちばん高いやり方でもあります。 気づかれれば、相手は住まいを変えます。 一度警戒された相手を追うのは、最初の何倍も難しくなります。
ですから、他に取れる手がかりがないかを先に探します。 手がかりが増えるほど、追う時間は短くなります。
私たちがしないこと
この種の調査には、やろうと思えばできてしまうことがあります。 その多くを、私たちはしません。
- 会社に電話をして在籍を尋ねる誰かが調べていると、その日に本人へ伝わります
- 取引先や客のふりをする身分を偽ることはしません
- 同僚や上司に事情を話して聞き出す相手の職場での立場を壊します
- 建物の中や更衣室、駐車場の奥に入る
- 車のナンバーから所有者を照会する正当な手続きを経ないものはしません
理由は品行の問題ではありません。 そうやって得た事実は、報告書に書いた時点で報告書ごと使えなくなるからです。
提出先は弁護士か裁判所です。 どうやって確かめたかを書けない事実は、最初から集めない。
それから、もうひとつ。 相手の職場に、こちらの存在を知らせないことは、お客様の利益でもあります。 職場に知られた相手は、辞めます。 辞められると、就業場所という届け先が消えます。
やってはいけないこと
- 職場に電話をかける、訪ねていくその一回で相手が動きます。請求の正当性とは別に、こちらが責任を問われることもあります
- 会社に事情を伝えて圧力をかける相手を辞めさせても、お金は戻りません
- ご自身で駐車場や出入口で待つ顔を知られていれば、必ず気づかれます
- SNSで勤務先を書いて呼びかける取り消せません。相手ではなく、あなたの側の評価が残ります
- 共通の知人に探りを入れるその日のうちに本人へ伝わると考えてください
- 「勤務先から住所が出せます」と言う業者に頼む出せる仕組みはありません
それから、期限のあるご事情なら、先にそれを教えてください。 時効や申立ての期日が迫っている場合、 調査より先に弁護士へ行っていただくほうがよいことがあります。
私たちがお手伝いできること
ご依頼をいただかなくても、ご相談の段階でお伝えできることがあります。
手順の整理
就業場所で進むのか、自宅が要るのか。 どちらが先かを一緒に決めます。
手元の材料の点検
名刺、作業着、車、送金の記録。 お持ちのものだけで足りることがあります。
見込みの正直な判定
確かめられそうか、難しそうか。 先に申し上げます。
受け取る側に合わせた報告書
弁護士や裁判所が そのまま使える形にしてお渡しします。
お引き受けできない場合もあります
相手が明確に拒んでいて、会いに行くためのご依頼。 住所に閲覧制限(支援措置)がかかっている場合。 このどちらも、所在の調査はお受けしません。
行ってはいけない道を案内しないことも、私たちの仕事のうちです。 その場合は弁護士・弁護士会・法テラスへおつなぎします。
探偵・弁護士・裁判所の役割
私たち(探偵)
就業しているかの確認と、その裏づけの文書化。 必要なときだけ、居住の確認まで。 請求も交渉もいたしません。
弁護士
内容証明、交渉、申立て。 就業場所送達の上申も先生の仕事です。
裁判所
送達、調査嘱託、手続きの進行。 就業場所で送達してよいかを判断する側です。
市区町村の窓口
目的によっては、住民票の写しや戸籍の附票を ご自身で取得できます。
私たちが請求や交渉を行うことはできません。 弁護士でない者が報酬を得て法律事務を扱うことは、 弁護士法で禁じられています。
ただし、「できません」でお返しするつもりもありません。 受け取った側がすぐ動ける形にしてお渡しするところまでが、私たちの仕事です。

新潟でこのご相談が多い形
通勤は、ほとんどが車です
新潟では電車通勤のほうが少数です。 職場の駐車場に、その人の車がある。 これが、この土地でいちばん確かな在籍の手がかりになります。
車種と色を覚えていらっしゃるだけで、確かめる時間が半分になります。 ご相談のときに、ぜひ教えてください。
冬は、通る道が決まります
雪が積もれば、除雪された道しか通れません。 通勤の経路が、夏よりずっと絞られます。
そして駐車場の車に雪が積もったままかどうかで、 その日に出勤したかが外から分かります。 冬のほうが確かめやすい、というのはこういう意味です。
工場の街では、住まいが会社とつながっていることがあります
長岡や燕三条のように工場が多い地域では、 社宅や寮に入っていることがあります。
この場合、勤務先が分かっていれば住まいも近いという形になりますが、 同時に職場に知られた瞬間、住まいごと失われるということでもあります。 静かに確かめる理由が、ここにもあります。
市外から通っている人が多い
新潟市内の会社に、三条や新発田から通っている。 これは珍しいことではありません。
ですから「勤務先が新潟市だから、住まいも新潟市」とは考えません。 市外局番と同じで、思い込むと一日分の移動を無駄にします。
集落では、見慣れない車が目立ちます
田園部や小さな工場では、外から来た車がすぐに分かります。 だからこの土地では、長く張り込む形は向きません。 短い時間で、外から見える事実を確実に取る。そういう組み方をします。
費用の考え方
この種のご依頼は、どこまで確かめるかで大きく変わります。
- 就業の確認までいちばん軽く済みます
- 自宅の割り出しまで日数も人手も増えます
- 勤務先が確かでないまずそこを特定する工程が先に入ります
- 場所市街地か、集落か、島か
- 手がかりの量車種・勤務時間・在籍時期が分かるほど短くなります
一律の金額はお示しせず、ご事情を伺ったうえで個別にお見積りします。 そして、お勧めしないときはそう申し上げます。 就業場所で足りる話に、自宅の割り出しの費用をいただくつもりはありません。
勤務先からの住所調査についてよくある質問
Q. 勤務先が分かれば、住所は出せるのですか。
勤務先から住所が出てくる仕組みは、ありません。 会社が第三者に従業員の住所を教えることはありませんし、 私たちが照会できる名簿もありません。 「勤務先から住所が出せます」と言う業者には、ご注意ください。 出せるとすれば、それは正当な手続きを経ていない方法です。
Q. 就業場所送達なら、住所を調べなくていいのですか。
使えるかどうかを判断するのは裁判所なので、断言はできません。 まず弁護士に「就業場所送達は使えますか」と聞いてみてください。 使えるなら、そのほうが早く、費用もかかりません。 私たちの出番は、その前提になる「本当にそこで働いている」の裏づけです。
Q. 会社に在籍確認の電話をしてもらえませんか。
いたしません。 誰かが調べていることが、その日のうちに本人へ伝わるからです。 伝われば相手は身構え、場合によっては辞めます。 辞められると、就業場所という届け先そのものが消えます。
Q. もう辞めているかもしれません。それでも調べられますか。
はい。「そこにはもういない」と分かることにも、手続き上の意味があります。 就業場所が無いと分かれば、次の手に移れます。 いちばん困るのは、あるかないか分からないまま時間が過ぎることです。
Q. 相手の車のナンバーは分かります。役に立ちますか。
はい。新潟では、とても大きな手がかりです。 ただしナンバーから所有者を照会することはできません。 私たちが使うのは、その車が「いつ、どこにあるか」という事実のほうです。 車種と色だけでも構いませんので、お聞かせください。
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