相続人の一人と連絡が取れないとき|新潟で所在を確かめる順番

連絡が取れないとき
まず戸籍でたどれます。見つからなくても、手続きを進める制度があります。
「兄は四十年前に県外へ出たきり、消息が分からない」「亡くなった父に、前の結婚の子がいた」「叔父の代から音信が途絶えている」
遺産分割の話し合いは、相続人が全員そろわないと成立しません。一人でも欠けたまま進めた協議は、あとで無効になります。ですから、連絡の取れない方が一人いるだけで、手続き全体が止まります。実家も、土地も、預金も、そのままです。
ただ、ここで多くの方が誤解しておられます。探偵に頼まないと進まない、と思い込んでしまうことです。実際には、先に戸籍でたどる方法があり、それでも見つからない場合に備えた制度もあります。
ファミリー調査事務所 新潟支店では、所在確認のご相談をお受けしています。この記事では、まずご自身や司法書士・弁護士のもとで進められることを書き、そのうえで私たちに頼む意味がある部分を書きます。
まず、どの状態に近いかを決めてください
「連絡が取れない」にも段階があります。次のどれに近いでしょうか。
- A そもそも、誰が相続人なのか分かっていない
- B 相続人は分かっているが、住所を知らない
- C 住所は分かるが、手紙を出しても返事がない
- D その住所に行ったが、すでに住んでいなかった
- E 何十年も生死すら分からない
A と B は、戸籍でたどれます。探偵の出番ではありません。次の章をお読みください。
C は、所在ではなく意思の問題です。返事がないことと、居場所が分からないことは別です。この場合、弁護士から連絡してもらう、家庭裁判所の調停を使うなど、別の道があります。
D から、私たちの出番になります。戸籍でたどった住所に実際には住んでいない、という段階です。
E は、失踪の宣告という制度が関わってきます。これも04で書きます。
戸籍と附票で、住所はかなりたどれます
相続の手続きでは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を全部そろえることになります。転籍や結婚で戸籍が移っていれば、その分もさかのぼって取り寄せます。
この作業で、相続人が誰なのかが確定します。ご家族が把握していなかった方が出てくることもあります。ここまでは、書類の話です。
そして、相続人が分かったら、次は住所です。ここで使うのが戸籍の附票です。戸籍に記載されている方の、住民票上の住所の移り変わりが記録されています。附票をたどれば、現在の住民票上の住所にたどり着けることが多いのです。
相続の手続きのために必要であれば、ご自身で取得できる場合があります。取り方や必要な書類は市区町村によって異なりますので、窓口にご確認ください。司法書士や弁護士に依頼すれば、まとめて取り寄せてもらえます。
ここが大事な点です。この段階で費用をかけて調査を頼む必要は、まずありません。ご相談にみえる方のなかには、戸籍をたどる前に探偵を探し始めてしまった方がいらっしゃいます。順番が逆です。
戸籍で分かること
誰が相続人か。婚姻、離婚、養子縁組、認知の記載もたどれます。
附票で分かること
住民票上の住所の移り変わり。多くの場合、現住所まで届きます。
そこで足りないとき
附票の住所に実際には住んでいない。そこから先が、調査の範囲です。
附票で行き詰まるのは、たとえばこういう場合です。住民票を移さずに引っ越している。実家に住民票を置いたまま県外で暮らしている。転居を繰り返して、届出をしていない。こうした状態だと、書類上の住所と実際の居場所が食い違います。
この段階で初めて、人を確かめる作業になります。
見つからなくても、手続きを進める制度があります
ここも、ぜひ知っておいていただきたいところです。所在が分からないままでも、遺産分割を進める道があります。「見つからなければ永遠に止まる」わけではありません。
- 不在者財産管理人の選任 所在が分からない方について、家庭裁判所に申し立てて、その方の財産を管理する人を選んでもらう制度です。選ばれた管理人が、本人の代わりに遺産分割の協議に加わります。ただし、協議に加わるには裁判所の許可が別に必要になります。
- 失踪の宣告 生死不明の状態が長期間続いている場合に、家庭裁判所に申し立てる制度です。宣告が出ると、法律上、亡くなったものとして扱われます。必要な期間や要件は状況によって異なります。
どちらも家庭裁判所の手続きですので、司法書士や弁護士にご相談ください。費用も時間もかかりますが、手続きが永久に止まるよりは前へ進みます。
そのうえで申し上げると、ご本人が見つかって、直接話ができるのがいちばんよいことに変わりはありません。管理人を立てれば、本人の取り分は確保されたまま残ります。実家を処分したい、名義を変えたいという場合、話が完全には片付かないこともあります。
ですから、まず探してみて、それでも駄目なら制度を使うという順番になります。探す部分を、私たちがお手伝いできる場合があります。
調査でなければ分からない部分
戸籍と附票でたどったあと、それでも残るのが次のような状態です。
- 附票の住所に、実際には住んでいない
- その建物がすでに無い、あるいは別の方が住んでいる
- 住民票を実家に置いたまま、別の土地で暮らしている
- 結婚や事情で名字が変わっており、たどりきれない
- 生存はしているらしいが、どこにいるか分からない
こうした場合に、手元の情報から所在を確かめるのが、私たちの役割です。何十年も前の情報しか残っていないご相談も珍しくありませんが、手がかりは、ご家族が思っているより残っていることがあります。年賀状の束、古い住所録、法事の記録、写真の裏書き、共通の知人。ご相談のときに、こうしたものがあるかどうかをお尋ねします。
もうひとつ、所在が分かったあと、どう連絡するかも一緒に考えます。何十年も音信のなかった相手に、いきなり「相続の件で」と手紙を出すと、警戒されて終わることがあります。相手には相手の生活と家族があります。そこを踏まえた連絡の取り方を、ご一緒に検討します。
ご相談の内容によっては、相続人の所在確認のページもあわせてご覧ください。
こちらでは確かめられないこと
- 戸籍や住民票を、依頼を受けて代わりに取ることはできません。相続人としてご自身で取得いただくか、司法書士・弁護士にご依頼ください。
- 相手の財産や口座の状況は分かりません。
- 相手を協議の場に出席させることはできません。所在が分かっても、応じるかどうかは本人が決めることです。
- 必ず見つかるとはお約束できません。手がかりの量と、経過した年数によります。
- 亡くなっているかどうかを、こちらで確定することはできません。戸籍に記載がなければ、失踪の宣告など裁判所の手続きになります。
- 遺産分割の交渉はできません。話し合いや調停は、弁護士の領域です。
ご相談を伺った段階で、見込みが薄いと思えば、そう申し上げます。「必ず見つけます」とは言いません。そのうえで、不在者財産管理人など制度を使う道をお勧めすることもあります。

新潟では、田畑と空き家が話を複雑にします
新潟のご相談で、都市部とはっきり違うのがここです。遺産の中身が、預金より土地と家に寄っています。実家、田畑、山林。分けにくく、売りにくく、それでいて持っているだけで手がかかります。
冬は、とくにそうです。誰も住んでいない家でも、雪は積もります。屋根を放っておけば傷み、隣家にも迷惑がかかる。手続きが止まっているあいだも、維持の負担は誰かが負い続けます。たいていは、地元に残った方です。
もうひとつ、新潟で多いのが相続登記がされないまま、代が変わってしまっているケースです。祖父の名義のままの土地がある。その祖父の相続人が、いまや十数人に増えている。全員の同意が要るのに、面識のない方が半分以上いる。こうなると、一人を探して終わりではありません。
なお、相続による不動産の名義変更は、令和6年4月から申請が義務とされています。期限や過料の扱いを含め、詳しくは法務局や司法書士にご確認ください。放置してきた土地がある場合は、一度確かめておかれることをお勧めします。
01 県外に出たまま、連絡が途絶える
新潟は、進学や就職で県外へ出る方の多い土地です。親の代で年賀状のやり取りが終わり、子の代で完全に切れる。この形が、いちばん多いご相談です。
02 長男が全部という前提で進めてしまう
家を継いだ人がすべて引き継ぐ、という感覚が残っている地域があります。ですが手続き上は、全員の同意が必要です。連絡していなかったことが、後から問題になります。
03 地域のなかで話が回る
相続で揉めているという話は、集落のなかで速く伝わります。探していることも同じです。ご自身で周囲に尋ねて回るのは、お勧めしません。
まず戸籍でどこまでたどれたかを教えてください
附票でたどれる段階であれば、調査は必要ありません。お話を伺ったうえで、まず司法書士へ、とお伝えすることもあります。行き詰まってからで結構ですので、まずはご相談ください。
秘密厳守・新潟県内全域に対応なさらないほうがよいこと
- 相続人を除いたまま、協議を済ませてしまう。あとで無効になります。名義を変えたあとで問題が出ると、やり直しの手間は何倍にもなります。
- いきなり相続の話だけを書いた手紙を送る。何十年ぶりの連絡が「印鑑を押してほしい」だけでは、警戒されて当然です。誰から、どういう関係で、何があったのかを先に伝えてください。
- 相手の勤め先や近所に、事情を話して尋ねる。相手の立場を悪くします。相続の話は、その方の家族も知らないことがあります。
- SNS で探す、呼びかける。本人以外の目に触れます。相手の家庭に影響が出ることがあります。
- 放置する。いちばん多い対応であり、いちばん高くつきます。代が変わるたびに相続人が増え、手続きは難しくなります。
- 期限のある手続きを見落とす。相続の放棄や、税の申告には期限があります。所在の確認に時間をかけているあいだに過ぎてしまわないよう、司法書士や税理士に確認しながら進めてください。
調査を扱う事業者は、探偵業の業務の適正化に関する法律に基づいて公安委員会へ届け出たうえで営業しています。届出の番号は、ご依頼の前に必ずご確認ください。
どこに何を頼めばよいか
- 司法書士 戸籍の収集、相続関係の整理、不動産の名義変更。この分野では、いちばん先に相談する相手です。
- 市区町村の窓口 戸籍と附票の取得。必要な書類を教えてくれます。
- 法務局 不動産の登記事項証明書。いま誰の名義になっているかが分かります。
- 家庭裁判所 不在者財産管理人の選任、失踪の宣告、遺産分割の調停。
- 弁護士 話し合いがまとまらない場合、相手と交渉が必要な場合。
- 税理士 相続税の申告。期限がありますのでお早めに。
- 探偵 附票の住所に住んでいない、たどりきれないという段階からの所在確認です。
順番としては、司法書士に相談 → 戸籍と附票でたどる → 行き詰まったら調査 → それでも駄目なら家庭裁判所の制度、という並びが無駄になりません。
ご相談の前に整理しておきたいこと
- 亡くなった方と、相続人の関係(分かる範囲の家系)
- 相続人が何名で、そのうち連絡が取れない方が何名か
- 戸籍と附票を、どこまで取り寄せているか
- 附票に記載されていた住所と、そこを確かめたかどうか
- その方について分かっていること(年代、最後に聞いた勤め先、結婚の有無など)
- 最後に連絡があったのはいつか。年賀状や電話など
- 司法書士や弁護士に依頼しているか
そして、お尋ねします。見つかったあと、どうなさりたいですか。
手続きに協力してもらえればよいのか、遺産を分けたうえで関係も戻したいのか、あるいは会うつもりはないのか。ここによって、連絡の取り方の組み立てが変わります。
とくに、長く音信のなかったご親族の場合、相手がどう受け止めるかが大きく効いてきます。決めかねていても結構です。そこも含めてお話を伺います。
費用と期間の考え方
費用を左右する主な要素
- 手がかりの量附票でどこまでたどれているか
- 経過した年数最後の連絡からの期間
- 探す範囲県内か、県外に及ぶか
- 対象の人数お一人か、複数か
個別見積りとなる理由
所在確認は、手元に残っている情報の量と新しさで、必要な作業がまったく変わります。附票の住所まで分かっている場合と、何十年も前の情報しかない場合では、同じ調査になりません。あらかじめ決めた金額を並べても当てはまりませんので、お話を伺ったうえで、必要な範囲だけをお見積りします。お見積りの前に費用が発生することはありません。
まず確認したいこと
相談員からお伝えしたいこと
よくあるご質問
Q. Q. 戸籍を代わりに取ってもらえますか。
お引き受けできません。相続人としてご自身で取得いただくか、司法書士や弁護士にご依頼ください。まずそちらで進めていただくのが、費用の面でも確実です。
Q. Q. 附票の住所に行きましたが、住んでいませんでした。
そこからが調査の範囲になります。住民票を移さずに転居されている場合などです。手元にどんな情報が残っているかをお聞かせください。
Q. Q. 四十年以上連絡がありません。見つかりますか。
手がかり次第です。年賀状や古い住所録、法事の記録、共通の知人など、何が残っているかで変わります。見込みが薄い場合は、正直にそうお伝えします。
Q. Q. 見つからなければ、相続はずっと進められませんか。
いいえ。家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てる制度や、長期間生死が分からない場合の失踪の宣告といった手続きがあります。司法書士や弁護士にご相談ください。
Q. Q. 相続人を除いて話し合いを済ませてしまいました。
あとで無効になるおそれがあります。早めに司法書士か弁護士にご相談ください。時間が経つほど、やり直しの手間が増えます。
Q. Q. 相手に会わずに済ませたいのですが。
所在が分かれば、書面でのやり取りや、弁護士を通す形で進めることもできます。ご事情を伺ったうえで、連絡の取り方をご一緒に考えます。
Q. Q. 相手が県外にいても対応できますか。
はい。新潟のご家族からのご依頼で、県外の方をお探しするご相談が多くを占めています。
相続人の所在のことは
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可否を先にご説明
ご相談内容を丁寧に管理
地域の事情をふまえて対応


